
乳がんは「唯一自分で発見できるガン」と言われ、早期発見のためにはセルフチェックも有効です。年に一度の検診と併せて、月に一度は自分の乳房に手をやって乳がんのセルフチェックを行う習慣をつけましょう。

- 乳がんのセルフチェック
月に一度は、下記ページの手順で自分の乳房をチェックする習慣を身につけてください。プリントアウトして、目のつくところに貼って実践することをおすすめします!
→乳がんのセルフチェック
チェックを行う時期は、乳房の張っていない生理が終わった直後が最適です。閉経した方は、覚えやすい日(毎月1日、毎月第一土曜日、誕生日など)をチェック日にしてもいいでしょう。野末先生は、毎日お風呂で実践しているそう。日頃のブレストケアで“自分の乳房の状態”を知っておくことで、いち早く異変に気付くことができるのです。

- 乳がんの目安となる「7つのサイン」
乳がんには目安になる7つの症状があるといわれています。以下の項目にあてはまるものがあったら、直ちに専門家に相談しましょう。また、これはあくまでも目安であることも忘れずに。自己診断は禁物です!自分の乳房が「いつもと違う」と感じたら必ず医師の診断を受けてください。
| 【しこり】 |
乳房にこれまでにない感触がある |
| 【くぼみ】 |
乳房にくぼみがある |
| 【皮膚の変化】 |
乳房の皮膚がオレンジの皮のようになる |
| 【痛み】 |
月経周期と関係なく乳房に痛みを感じる |
| 【分泌物】 |
乳頭から血の混じった分泌物が出る |
| 【ただれ】 |
乳頭がただれている |
| 【脇の下のしこり】 |
脇の下にしこりがある |

- 乳がんのリスクを遠ざけるために
絶対に乳がんにならない方法はありませんが、少しでもその発生リスクを下げるためにチェック項目が設けられています。日頃から以下の点に注意して生活してください。

- □ 毎月“セルフチェック”の日を決めて自己触診を行う
- □ 入浴時に(タオルを使わず)手で身体を洗う
- □ 年に一度は病院で検診を受ける

- □ 喫煙をしない
- □ アルコールを減らす
- □ 肥満に注意する
- □ ストレスをためない
- □ 抗酸化ビタミンをとる
- <抗酸化ビタミンと言われる「ビタミンA」(緑黄色野菜、レバー、うなぎ、チーズなど)・「ビタミンC」(野菜・果物・いも類)・「ビタミンE」(植物油・ナッツ類・アボカド・にら・かぼちゃ・大豆など)を多く摂取するとよいでしょう。>
- □ 免疫力をアップする生活を心がける
- <「ストレス」「疲労」「冷え」で免疫力は低下するといわれています。バランスの良い食事を心がけ、バスタイムでリラックス&冷えを予防するなど、ストレスや疲れを貯めない生活を心がけましょう。>

- 気になるサインを見つけたら
もしも乳房に異変を感じたら・・・どのような病院に行ったらよいのでしょうか?受診すべきは「産婦人科」と考えている方も多いのですが、正しくは「乳腺外来」。困ったときは、お近くの保健所に問い合わせると、地域で診察が可能な病院を教えてくれます。また、病院検索ができるWEBサイトなどを利用してもよいでしょう。
下記の「NPO法人乳房健康研究会」のホームページで病院が検索できます。
URL:NPO法人乳房健康研究会
http://www.breastcare.jp/search_shisetsu/list.php

医師として50年以上のキャリアを持ち、早くからピンクリボン活動に尽力されている野末先生は、ご自身も乳がんの体験をされています。女性として、専門家として、また乳がんの経験者として、先生の想いを伺いました。
― 「42歳、早すぎる親友の死を無駄にしてはいけない…」
30年以上前になりますが、当時は検診制度もなく、乳がんについて皆さん知識があるという時代ではありませんでした。その時、学生時代の親友にクルミ大の乳がんが見つかったのですが、彼女は治療を拒んで周囲にも隠していました。心配されたご家族から電話を受けて知った私は直ちに彼女のもとを訪れたのですが、もう手遅れでした。葬儀で弔辞を読んだ時、彼女の死を無駄にしないためにも“乳がんの早期発見を進める仕事をライフワークにしよう”と誓ったんです。それが現在のピンクリボン活動につながっています。
― 朝、シャワーをしていて「なにこれ?」…セルフチェックが命を救う
親友の死から3年ほど経ったある朝、シャワーで身体を洗っていたら左の乳房に「なにこれ?」と、小さいしこりに気づきました。「先月はなかったのに…」と正直驚きました。すぐに精密検査を受けると、乳がんと診断されました。当時2人の息子はまだ中学生と高校生でした。
― 乳がんと知らされて…
友人の乳がんの後だったので「いよいよ来たか…」が最初の感想です。くよくよ悩む間もなく、発見からおよそ1カ月で手術をしました。進行がんの場合は3カ月で倍の大きさになってしまうので、出来るだけ早くという気持ちもありました。左の乳房の全摘出と同時に摘出した部分への植皮手術も行ったので、大変大がかりな手術でしたが無事成功しました。
― 乳がんになって知ったこと、学んだこと
それまで家のことは全て私がやっていましたが、乳がんになって夫が子供たちと協力して家事を手伝ってくれるようになりました。それ以来、洗濯は夫の日課になっています。更に、乳がん経験者の方々と沢山出会って友人が増えたことは、何よりの財産だと思っています。
― 「乳がんの治療が進歩しても、早期発見に勝るものはありません」
自分が乳がんを経験したことで、良かったことの一つは、患者さんの痛みや苦しみ、女性としての心の痛みなどを医師として理解してあげられることです。そしてもう一つは、これまで見過ごしていた光の美しさや小さな花の生命を感じていとおしくなったりという「命の尊さ」を再認出来たことです。私はセルフチェックで8ミリ程のがんを発見し命拾いをしました。現在のような、触診、超音波検査、マンモグラフィーなどの検診を受ければもっと早期に発見できる乳ガンもあります。どんなに治療が進歩しても、早期発見に勝るものはありませんので、是非年1回の検診を受けてください。
― ピンクリボンを知っている人は8割、しかし検診を受けている人は2割
自分が乳がんになったのを機に、乳がんの正しい知識を広め早期受診を訴えているピンクリボン活動にも力を注いでいます。しかしあるデータで、ピンクリボン活動を知っていると答えた方は8割もいたのに、検診を受けているのはわずか2割だというのを知って愕然としました。
― 若い方にこそ伝えたい…「自分を大切に」
早期発見では95%が治癒し、皆さん再び元気に生活されています。私も32年前に手術をして、今年で78歳になりますが医師として元気に毎日仕事を続けています。発見が遅ければ遅いほど、命と乳房を救える可能性も少なくなってしまうので、生理が終わったタイミングで月に一回は自分の乳房に関心を持ってセルフチェックを心がけてください。いつもあなたらしく笑顔でいるために…年に一回の専門家による検診を忘れずに受けてください。