妊活の知識

妊活・妊娠で感じる不安とどう向き合う?

妊活・妊娠・出産・育児とふたりで歩むなかで、さまざまな変化に不安を感じる人も多いようです。

妊活前、妊活中、妊娠中のそれぞれの期間に、どんな不安を感じ、どう対処すればいいのでしょうか。よくある悩みと対処法を紹介します。

安心して妊活に臨むために、妊活前の不安への対処法を知っておこう

「自分は妊娠できるカラダなのかな?」

「子どもは授かりたいけど、将来のイメージができなくて不安…」

妊活を始める前は、漠然とした不安を感じがち。まずはそれぞれが自分のカラダと向き合い、妊活や育児を含めたライフプランを設計することから始めましょう。

対処法1:自分のカラダの状態を知っておく

妊活を始める前から「自分たちは妊娠できるカラダかな」と気になる人は多いもの。特に、もともと生理が不順な方、婦人科系検診などで指摘を受けたことがある方、年齢が高めの方の中には、不安を感じている人もいるのではないでしょうか。病院に行くべきか迷っているという人もいるでしょう。

妊活を始める前には、カラダに異常がないか診てもらうのがベストです。近年は結婚前や妊活前のタイミングで、ブライダルチェック(妊娠に影響のある病気はないかなどを調べる検査)を受ける人も増えています。内容は病院によって様々ですが、一例として次のようなものがあります。

女性の検査は婦人科で、男性の検査は泌尿器科で受けられます。精液検査は、一部の婦人科で受けることもできます。

女性は生理の記録を習慣化して

前回はいつ生理がきたのか、生理周期はどれくらいか、自分の体調をきちんと把握しておきましょう。生理は婦人科での最初の問診でも聞かれる、大切なバロメーターです。

男性は女性に比べて、カラダに向き合う機会が少ない

男性は、生理がある女性よりもカラダと向き合う機会が少なく、自分の生殖能力を普段からあまり意識しない傾向にあります。また、不妊の原因が男性にもあることを知らない場合も。そのため、妊娠や不妊を自分事として捉えられないケースも見受けられます。

こうした男女の認識の違いから妊活に対する温度差が生まれ、意見が食い違うこともあるようです。

正しい知識をもとに、妊活の進め方をイメージしよう

妊娠の仕組みや排卵日予測とタイミング法の手順、受診の目安など、妊活の基礎知識を身につけておきましょう。自分たちのカラダの状態と妊活の基本がわかっていれば、不安になりすぎずに妊活を始められるはず。

対処法2:妊活に向けたカラダづくりをしておく

妊活に向けて、ふたりでプレコンセプションケアに取り組むのもオススメです。プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えながら、自分たちの生活や健康に向き合うことです。具体的には、次のような行動を指します。

こうした取り組みを通して、ふたりとも健康な状態で妊活に臨むことができるといいですよね。

対処法3:人生設計についてふたりでよく話し合う

「いつごろ、何人の子どもを持つか」は、ふたりの人生を大きく左右します。特に妊娠・出産を担う女性は、子どもを持つタイミングと仕事の兼ね合いで悩んでしまうことも。

「妊活から育児までを計画的に進めたいけれど、思いどおりにはいかないかもしれない」「育児と仕事を両立する自信がない」また、「不妊治療をおこなった場合の費用や、育児にかかるお金が不安」という声も多く聞かれます。

妊活から育児までの道のりは誰にもわかりません。妊活を始める前に話し合い、ふたりの考えをまとめておきましょう。事前に大まかな方針を決めておけば対処しやすくなりますよ。できれば普段から、ふたりで話し合える関係を築いておけるといいですね。

なかなか妊娠しない、話し合いができない…。妊活中のよくある不安と対処法

妊活を始めたけれど、なかなか妊娠できず、生理がくる度に強い不安を覚えるようになる人もいます。毎月決まった時期に義務的に性交渉をおこなったり、不妊治療にお金がかかったり、話し合いがうまくいかなかったりというのも、心労の原因に。そんなときはどうすれば良いのでしょうか。

対処法1:信頼できる情報に触れ、専門家に相談する

なかなか妊娠できないと、妊活の進め方への迷いから、SNSや悪質なWebサイトなどの信ぴょう性のない情報に振り回されてしまう人も少なくないようです。

自力で情報を見極めるのが難しいときは、医師や助産師、看護師など、正しい知識を持った信頼できる専門家に相談してみましょう。

対処法2:ふたりで妊活の進め方を定期的に話し合う

妊活を進めるうちに、ふたりの間で向いている方向や熱意にズレが生じることがあります。耐えられないほどの不安に苛まれたり孤独を感じたりする前に、ふたりで定期的に話してお互いの気持ちを共有しつつ、今後の進め方を考えていきましょう。

男性が女性の負担を気遣って、言いたいことをガマンしていることもあります。勇気を出して話し合えば、「子どもは1人でもいい」「不妊治療には前向き」といった意外な本音を聞けて、気持ちが楽になるかもしれませんよ。

話し合いをスムーズにおこなうコツ

普段は仲のいいふたりでも、妊活の話になると気まずい雰囲気になり、本音を話せなくなってしまうことも。一方が話し合いたくても、相手が話し合いを避けてしまう状況もめずらしくありません。

男女問わず、急に真剣な話し合いを求められるのが苦手な人はいます。パートナーがそのタイプなら、前持って「今度の週末は妊活の方針について話し合いたい」などと声をかけ、お互いに心の準備をしておくのがオススメです。

また、「○%の人が不妊治療をしている」といった理論的な話やデータを用いると理解しやすいタイプと、「友だちは妊活を始めて○ヵ月で検査をした」といった身近な人の話なら自分に置き換えやすいというタイプの人がいますよね。お互いの特性に合った伝え方で、話し合いをよりスムーズに進められるといいですね。

対処法3:治療にかけるお金や期限に目安を設ける

金銭的な負担が生じる病院での不妊治療。2022年4月から不妊治療が保険適用となりましたが、やはり経済的な不安を感じる人は少なくありません。

大まかな見通しをつけるためにも、不妊治療にかける金額や期間はあらかじめ目安を設けておきましょう。体外受精の場合は保険適用の範囲に回数制限と年齢制限があるため、適用範囲内でおこなうことを目安にしている人もいるようです。

自費の不妊治療を受ける場合は、「治療は○才まで/来年まで/今年は○回まで」と決めておくのがオススメ。どんな方法を選ぶにせよ、ライフプランと治療費の計画をふたりでよく話し合っておくことが大切です。

対処法4:性交渉へのプレッシャーをやわらげる工夫をする

射精しないと妊娠が成立しないため、性交渉に対するプレッシャーは、特に男性が感じやすいようです。排卵日EDといって妊活タイミングの時期のみ勃起不全になったり、性交渉が妊娠のためのものになることで気持ちが乗らず悩んだりする場合もあります。

工夫1:妊活タイミング以外にも性交渉をおこなう

プレッシャーを感じにくくするために、排卵日周辺を特別な時期と意識せず、普段から性交渉の機会をもち、コミュニケーションと捉えて楽しむことが大切です。

工夫2:シリンジ法を用いる

排卵日EDや普段から射精が難しい場合、またセックスレスの場合は、「シリンジ法」もオススメです。これは事前に専用のキットを購入しておき、カップに精液を取り、シリンジで吸い取って女性の膣に直接注入するという方法です。

「もし性交渉がうまくいかなくても、シリンジを使えばいいんだ」と思うだけで、心が楽になることもあります。保険やお守りのような気持ちで用意してみては。

不安でいっぱいな妊娠期間、ふたりでどう乗り越える?

いざ妊娠! 喜びも大きい反面、赤ちゃんのこと、仕事のこと、産後の生活のことなど、不安も出てくるこの時期。妊娠期間を乗り越え、ふたりで親になっていくために必要なこととは?

対処法1:女性は自分のカラダを最優先する

妊娠した女性のカラダにはつわりなど今までになかった変化が起こります。そして、無事に妊娠生活を乗り切れるか不安になったり気持ちが沈んだりすることも。そんなときは自分の体調や気持ちを家族へこまめに共有しましょう。妊娠中は自分と赤ちゃんの健康を最優先し、遠慮なく周囲に甘えてくださいね。

体調の変化や不安のせいで、イライラしてしまったり、冷静になれなかったりする瞬間があるかもしれません。事前に不安を解消してくれる行動リストを用意しておくと、いざというときも落ち着いて行動がしやすくなるのでオススメですよ。「妊婦健診の日を早める」「産院や信頼できる専門家に相談する」「パートナーに不安な気持ちをただ聞いてもらう」など、リストにして定期的に見返すようにしましょう。

また、妊娠の不安や憂うつ、イラ立ちから、ときにはパートナーにきつい態度をとってしまう人も。余裕があるときには「対応が冷たくなってしまうこともあるけど、あなたのことは大切に思っているよ」と温かい気持ちを伝え、相手に寄り添えると素敵ですね。

対処法2:男性はサポートしてほしいことを直接聞く

男性は、相手が「家族代表で妊娠している」ことを理解し、家事などに積極的に取り組めるといいですね。

女性が妊娠しても男性のカラダには変化が起こらないため、妊娠中のパートナーへの寄り添い方がわからないことがあると思います。自分なりにがんばってサポートしているつもりでも、空回りしてしまうかもしれません。また、体調不良や不安でピリピリしているパートナーからきつく当たられ、困ってしまう人もいるでしょう。

そんなときは、勇気を出して何をしてほしいかを相手に直接聞いてみましょう。実際に希望を聞くと、望んでいるサポートは想像よりもずっとシンプルなこともあります。相手に直接聞くだけでなく、先輩パパ・ママなどの意見を参考にするのもオススメです。

対処法3:こまめに病院で相談する

医師に相談することで、不安が解消されることもあります。「前回も同じことを聞いたし、今回も聞くのは迷惑かな」と遠慮せずに何度も質問してみましょう。妊娠中は女性のカラダと赤ちゃんを優先してください。

妊婦健診の間隔を短くすることもできる

赤ちゃんが成長していく喜びよりも、無事に育ってくれているかという不安の方が大きくなる人もいます。特に妊娠初期の検診は間隔が1ヵ月ごとのため、赤ちゃんが心配になることも。

「赤ちゃんの状態が心配なときは、動いている様子をエコーで見るのが一番安心できる」という人は少なくありません。妊婦さんは産院での健診の間隔を短くするよう希望することもできます。不安やストレスを溜め込んでしまうくらいなら、遠慮せず受診しましょう。自分の体調や赤ちゃんの成長に心配なことがあれば、いつでも産院に相談してくださいね。

出産方法を医師や助産師と相談しておこう

「人生で一番痛い」とも言われる出産。また、出産は命にかかわるため、不安を感じるのは当然のこと。

心配なことがあるときは、医師や助産師に正直な気持ちを打ち明けましょう。専門家から直接話を聞くことで、疑問が解消されて安心できる可能性があります。

出産への不安を軽減するには、無痛分娩を選択するのも1つの方法です。ただし、無痛分娩にはメリットとデメリットがあるため、医師やパートナーと話し合ったうえで決めてくださいね。

対処法4:直属の上司や仲間にサポートをお願いする

妊娠によって仕事で思うようにパフォーマンスが発揮できない、周りに迷惑をかけていると感じてしまう妊婦さんは多くいます。真面目で責任感が強い人ほど、「周りに迷惑をかけている」「仕事が思うように進められない」と不安になるかもしれません。

直属の上司や仲間、人事担当者などの相談しやすい人に、事前に妊娠について伝えておきましょう。具体的にしてほしいことと、会社でできる対応をあらかじめすり合わせておくことで、仕事量や業務内容、勤務時間の調整などもお願いしやすくなります。

男女雇用機会均等法では、妊婦が医師から指導を受けた場合に、事業主が勤務時間の変更や勤務の軽減を講じることが決められています。妊娠中の体調不良やトラブルで業務内容を変更することは、決して「申し訳ないこと」ではありません。

また、「妊娠したことを職場の人にいつ伝えよう」と悩む人は多いですが、信頼できる仲間には、安定期に入る前、遅くとも12週くらいまでに共有するのがオススメです。できるだけ早く報告して、サポートをお願いしてみてもいいですね。

妊娠中は、切迫流産や切迫早産などのトラブルで急に入院することも。助けてくれる人がいれば、自分だけでなく職場にとっても安心です。

対処法5:産後や育児のサポート体制をあらかじめ整えておく

妊娠中に「自分たちはいい親になれるのか」「仕事と育児を両立できるのか」など、産後のことに不安になる人はとても多いもの。特に、パートナーの仕事が忙しい、どちらの両親も近くに住んでいないといった事情でワンオペ育児になる人は、不安が大きくなりやすい傾向にあります。

そんなときは家事育児をサポートしてくれる自治体や民間の制度・サービスを調べてみましょう。うまく利用すれば、育児や産後の生活の負担をグッと減らせます。

など、利用できそうなものを妊娠中から調べておきましょう。

ただ、女性の体調の悪いときはリサーチそのものが負担になることもあります。リサーチやリストアップ、登録手続きなどは男性が主体となっておこなえるといいですね。

コミュニケーションと学び合いを大切に。ふたりで不安を乗り越えよう

お腹に子どもを宿して産めるのは女性だけのため、どうしても男女で当事者意識に差が生まれます。同じ熱量で向き合えるのが理想ですが、ある程度は仕方がないと割り切ることも必要です。

妊活や妊娠への熱量が一致していなくても、ふたりで同じ方向を向いて進むことはとても大切。妊活や育児の方針を統一すること、正しい知識を共有し合うことを意識してみて。妊娠前から、家族会議と情報の収集・共有をふたりの習慣にしてみてくださいね。

反対に避けたいのは「ほかの人の状況と比べること」。自分たちのペースでオリジナルの妊活・妊娠生活とパートナーシップを作っていきましょう。

【記事監修】

株式会社ファミワン

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