男性向けコラム

【これを見ればOK】妊活中男性の生活習慣チェックリスト。食事・サプリからサウナまで

妊娠は、夫婦両方の健康があってこそ成り立つもの。男性も生活習慣をととのえることが大切です。精子を元気にするためには、適切な体重・BMIの維持や射精回数が関係すると言われています。また、長時間の入浴やサウナ、喫煙は精子に悪影響を及ぼすことも。妊活をきっかけに、生活習慣を改善していきたいですね。

ポイント1:バランスの取れた食生活を心がける

肥満または痩せすぎの男性は精液検査の結果が良くないというデータがあります。一度、ご自身の体重・BMIをチェックし、標準範囲外の場合は食事や運動習慣を見直してみましょう。BMI指数は次の計算式で求められます。

BMI=体重kg÷(身長m)²

BMI値の判定は次のとおりです。

よくある食習慣と注意点

食習慣は、体重だけでなく、精子の質にも影響を与えます。例えば、高脂肪な食事や加工肉は精子の質を下げるとも言われており、妊活中は普段よりも控えたほうがいいでしょう。

また、仕事の合間にラーメンやカレー、パスタだけといった糖質中心のランチを食べたり、過剰に砂糖が含まれる食品を大量にとったりするのもおすすめできません。血糖値の急激な乱高下がおきると、精子の能力が低下させる可能性があると言われています。

外食をする場合は、できる限り定食にしてみてはいかがでしょうか?また、ファーストフードに行く場合なども、つけあわせをフライドポテトではなくサラダを選び、野菜から食べるようにしてみてください。

ポイント2:喫煙やアルコールの摂りすぎに注意

タバコには多くの有害物質が含まれているため、女性がタバコを吸うと卵子がダメージを受けることはよく知られています。ほかには卵巣機能が悪くなったり、妊娠しても流産が増えたりするという報告もあります。

男性も、喫煙により精子の数が減り、さらに精子に含まれるDNAを損傷する恐れもあると言われています。タバコは煙にも有害物質が含まれているので、副流煙にも注意してください。妊娠を望むなら、早いうちに男女ともに禁煙するのがベストです。また電子タバコも、紙タバコと同様に精子への影響があるので、同じく禁煙するのが望ましいです。

また、アルコールを体内で分解するときに発生するアセドアルデヒドは、男女の生殖機能を低下させると言われています。女性の場合、1週間でアルコールの摂取量が50g(ビール大瓶2本、ワイン4〜5杯ほど)を超えると、妊娠に至る確率が16%低くなると言われています。

男性は、精液量、精子の運動率、精子濃度、正常形態率などに影響が出ます。飲酒の機会が多い方は、妊活を機に控えるよう意識してみてくださいね。

ポイント3:カフェイン摂取量の見直しを

「仕事中はずっとコーヒーを飲んでいる」という方もいらっしゃるのでは?カフェインは血流や睡眠の質を悪くすると考えられており、摂りすぎると妊活にも影響を与える可能性があります。

妊活中だからといって、カフェインを完全にゼロにする必要はありませんが、1日200mgまでにしておきましょう。

カフェイン200mgの目安は以下のとおりです。

見落としがちなのが他の食品・飲み物に含まれるカフェインです。例えば、エナジードリンクや高カカオチョコレートは、コーヒー数杯分のカフェインが入っていることも。まずは、「自分が普段からとっている食品や好きなものに、どれくらいカフェインが入っているか」を一度チェックしてみましょう。

もしカフェインを摂りすぎていた場合は、できる範囲でもノンカフェインのハーブティーや麦茶、カフェインレスコーヒーに置き換えてみましょう。大切なのは「摂りすぎない」「夜は控える」「隠れカフェインにも目を向ける」こと。ぜひ、パートナーと一緒に取り組んでみてください。

ポイント4:サプリメントや薬の影響を確認

風邪薬や一時的な市販薬であれば、過度に気にしすぎる必要はありませんが、一部医師から処方される薬が精子に影響を与えることがあります。

特に男性に気にしてほしいのは、

の2つです。

一部のAGA治療薬は、精子の数や性機能に影響する可能性があると言われています。そのため精液検査の結果が芳しくなかった場合、一時的にでも使用を中断することをおすすめしています。

とはいえ、AGA治療と妊活を両立できないわけではありません。主治医に「妊活を考えている」と伝えることで、妊活への影響が少ない薬に切り替えてもらえるケースもあります。まずは相談をしてみてください。

また一部の抗うつ剤の成分は精液に移行すると言われており、注意が必要です。ただし、無理にやめることで精神状態が不安定になるのは本末転倒。こちらも「この薬は継続すべきか」「妊活に影響の少ない薬に変更できるか」など主治医とよく相談しながら、妊活と治療を両立させていきましょう。

サプリメントも、「妊活に良さそうだから」と自己判断で複数併用すると、過剰摂取になる可能性があります。特に亜鉛・ビタミンAなどは、摂りすぎると逆効果になることもあるため、成分表示を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

ポイント5:長時間のサウナなど睾丸を温める習慣から離れる

精子は「熱」に弱く、高温になると運動率が低下してしまいます。

愛好家も多い高温サウナは、実は精子に悪影響。サウナが精子に与える影響は短期的なもので、利用をやめれば元に戻るとのデータもありますが、妊活が視野に入ってきたなら控えたほうがいいかもしれません。妊活中はサウナを控えるのが理想ですが、多くとも月に2〜3回程度に抑えましょう。

また、密着度の高いボトムスや下着、長時間の自転車運転も、睾丸がカラダと密着して温度が上がった状態になるため注意が必要です。

精巣で精子がつくられるまでには74日ほどかかるので、習慣を見直しても明日から精子が元気になるわけではありません。急には無理でも、少しずつ改善できるよう意識してみてはいかがでしょうか。

また、意外と知られていませんが、実は最も重要なのは定期的に射精をすること。1〜2日に1度は射精をして、精巣の精子を入れ替えることで、造精機能を維持しやすくなります。

※1 Association between BMI and semen quality: an observational study of 3966 sperm donors Jixuan M., et al, Human Reproduction, Volume 34, Issue 1, January 2019, P155-162.

【記事監修】

株式会社ファミワン 不妊症看護認定看護師 看護修士

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