【専門家監修】基礎体温から見えてくるカラダと妊活のリズム
妊活を始めるときに知っておきたい「基礎体温」のこと。記録を続けると、排卵の有無や妊活タイミング、自分のカラダの調子などを把握しやすくなります。これから妊活を始める方に向けて、基礎体温の測り方やグラフの見方、記録を続けるコツなどを紹介します。
基礎体温とは?
「基礎体温」とは、生命を維持するのに必要な最小限のエネルギーしか消費していない、安静時の体温のこと。体内のホルモン分泌の変化にともなって変動するため、記録を続けることで排卵や妊娠の兆候に気付きやすくなります。
体温は排卵を境に「低温期」から「高温期」の二相に分かれます。グラフに記録をとり、この二相が確認できる場合、排卵があった可能性が高いと考えられます。ただし、低温期と高温期の差は0.3~0.5℃程度とごくわずか。そのため、基礎体温の測定には小数点以下2桁まで測れる「婦人体温計」を使います。
基礎体温とカラダのリズム
排卵と基礎体温の深い関係とは
女性のカラダは、生理がはじまると体温が低めの低温期が2週間ほど続きます。その後、体温が上がり高温期が2週間ほど続くサイクルが繰り返されます。
排卵がおこるのは、低温期から高温期に入る直前のもっとも体温が下がる日、またはその前後といわれています。妊娠が成立しなければ生理がきて、再び低温期を迎えます。
ちょっとした体調の変化で排卵が数日ズレることはよくあります。でも、3周期ほど基礎体温の記録を続けていると、自分のおおまかなリズムが見えてくるはず。こつこつ基礎体温を測ってグラフに記録することで、排卵がきちんとおきているか、どのタイミングで排卵していそうかをつかむ手がかりになります。
妊活に活かす!基礎体温でタイミングを捉えよう
妊娠しやすい期間は、排卵5日前から排卵日当日までの期間と言われています。生理周期が安定している場合は、基礎体温のグラフから排卵日を予測して性交渉のタイミングをとるのも1つの方法です。
ただ、基礎体温のグラフだけで排卵日を正確に予測するのは難しいうえ、排卵日当日以上に妊娠確率の高い排卵1~3日前がいつなのかを把握するのも困難です。
より確実に排卵日を予測したい場合は、生理管理アプリや排卵検査薬の併用がおすすめです。排卵日予測や基礎体温の記録、妊活の悩みや疑問に寄り添うアドバイスなど、妊活をサポートする機能が充実した生理管理アプリも多く登場しています。
基礎体温のグラフの活用方法
「グラフをつけてみたけれど、使い方がよくわからない」という人もいるでしょう。ここでは、基礎体温のグラフで注目すべきポイントと読み取れることを解説します。
グラフでつかむ、排卵のサイン
記録をつけ始めた1周期目には、低温期から高温期に切り替わる直前、またはその前後のタイミングを掴むのはむずかしいかもしれません。何周期か記録を続けるうちにパターンが見えてきて、高温期に移行するタイミングがつかめるようになってくるはずですよ。
基礎体温のグラフでもっとも重要なのは、低温期と高温期の二相に分かれていることですが、「自分のグラフはガタガタしていて、二相に分かれていないかも…」と感じる人は少なくありません。基礎体温は室温や体調、睡眠の質など、さまざまな影響を受けるため、お手本どおりにならないことはよくあります。不安定にみえるグラフでも、専門家が見ると問題ないケースも多いので、気になるときは一度婦人科で相談してみてくださいね。
こんなグラフは要注意?体調チェックのポイント
3周期ほど記録しても二相に分かれる兆候が全くない場合は、排卵していない可能性があります。基礎体温表を持って婦人科を受診しましょう。もし体調に違和感がある場合は、3周期記録するのを待たずにすぐ受診してくださいね。
低温期が長い場合は、排卵に時間がかかっている可能性も。排卵の回数が減るぶん妊活のチャンスが減るので、頻繁に見られるようなら受診してみてください。
高温期が短い場合は、「黄体機能不全(プロゲステロンの分泌不全)」など、ホルモンバランスの問題があるかもしれません。婦人科で相談し、ホルモンの内服や注射のサポートで体温を上げることを検討しましょう。
二相にわかれていないグラフ例
低温期が長いグラフ例
高温期が短いグラフ例
基礎体温を毎日記録すると、体調の細かな変化や生理周期のズレなどにも気付きやすくなります。例えば、片頭痛やむくみなどは高温期によく見られる症状の1つ。「高温期だからかな」と原因に心当たりがあるだけでも、少し安心できたり、上手に対処するヒントになったりします。体調管理のためにも基礎体温をつける習慣を続けてみましょう。
基礎体温の正しい測り方と続け方
基礎体温を正しい方法で継続して測るにはコツがあります。毎日の測定と記録の負担を減らすポイントを紹介します。
基礎体温を正しく測るコツ
基礎体温を正しく測るには、婦人体温計を使うこと、目が覚めた直後に布団に横になったまま測ることが大切です。婦人体温計は、薬局やドラッグストア、ネットショップなどで購入できます。一般的な体温計とは異なり、わきの下ではなく舌の裏の付け根に挟んで測定します。起き上がらずに測れるよう、枕元に置いておけるといいですね。
測定の基本は、毎日同じ時刻に、同じ条件でおこなうことです。とはいえ「完ぺきにやらなければ」と気負う必要はありません。数日測りそこねても、最終的に「グラフが二相になっているか?」「いつごろ低温期から高温期に移行しているか?」がわかれば大丈夫。続けるうちに自分のリズムをなんとなく把握できればOKです。
基礎体温と⼀緒に記録するとよいこと
日によっては、目覚めてすぐトイレに行きたくなったり、起きる時間が普段と違ったりすることもあるでしょう。いつもと違う条件で基礎体温を測定したときは、そのことをグラフにメモしてください。また、性交渉のタイミングや体調、心の調子などを書き留めておくと、そのときの状況やホルモンの波を振り返りやすくなりますよ。
アプリで簡単&便利!記録を習慣化しよう
手書きでの記録が面倒な人は、スマホアプリを使うのもオススメ。生理・体調管理アプリ「ソフィBe」なら、基礎体温や生理、日々の体調を記録するだけで、ホルモンの変化や体調のリズムを簡単にグラフ化できます。
記録した情報をもとに妊娠しやすい日を自動で予測してくれるので、妊活もぐっとスムーズに。「ソフィ 妊活タイミングをチェックできるおりものシート」の判定も記録すれば、その記録から計算された「特に妊娠しやすい日」が、アプリ内のカレンダーなどに反映されます。あなたのカラダのシグナルを元にした、妊活タイミングのチェックがしやすくなります。妊娠しやすい期間の前日や、排卵予定⽇をパートナーへLINEで共有できる機能も搭載しているので、ふたりで計画的に妊活を進めるのにも役立ちますよ。
基礎体温を記録する3つのメリット
基礎体温を記録することには、排卵日予測以外にもさまざまなメリットがあります。代表的な3つを紹介しましょう。
・婦人科を受診するときの参考データになる
基礎体温の記録は、婦人科医にとっても貴重なデータです。不調を感じたとき、排卵しているか不安なとき、妊活のステップアップを考えているときなどは、基礎体温表を持って受診しましょう。
・妊娠の可能性に気付きやすくなる
高温期が2週間以上と長く続くときは、妊娠している可能性があります。普段から基礎体温を記録していれば、妊娠のサインに早めに気付けることも。予定日を1週間すぎても生理がこなかったら妊娠検査薬を使い、陽性反応が出たらできるだけ早く産婦人科を受診しましょう。
・ホルモンバランスの把握や生活リズムの見直しに役立つ
基礎体温は毎日同じ時間に測るので、習慣にすれば自然と生活リズムが整います。また、基礎体温はホルモンの変動やカラダの調子とも密接に関わっています。記録するうちに、ホルモンがうまく機能する健康なカラダづくりにも意識が向くようになるはず。たっぷり寝て、決まった時間におき、しっかり栄養をとって気分よく過ごす生活を心がけ、妊娠しやすいカラダの土台をつくっていけるといいですよね。
ただし、健康的で規則正しい生活を送っていても、体質や隠れた病気などで基礎体温が二相に分かれないこともあります。不安なときは気軽に婦人科で相談してみましょう。
まとめ あなたのリズムを知ることが、妊活の第一歩
妊活をスムーズに進めるうえで、基礎体温からカラダのリズムを把握することが欠かせません。記録の手間を軽減してくれるアプリなどを上手に活用し、習慣にしてみてくださいね。
【記事監修】
株式会社ファミワン 不妊症看護認定看護師 看護修士
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