妊活ステップ

妊活って何をするの? 始める前に知っておきたい基本と流れ

「いつかは妊娠したいかも」そんな気持ちがもしあるなら、妊活とはなにか、具体的にどんなことをするのか、今から頭に入れておくと安心です。妊活から妊娠までの流れを一緒に確認していきましょう。

妊活とは?

妊活=妊娠活動に明確な定義はありませんが、一般には「妊娠を望むふたりが、赤ちゃんを授かるための行動全般」を意味します。

女性が「産む側の性」であるために誤解されがちですが、妊活は女性だけで抱え込むものではありません。日本受精着床学会がおこなった不妊治療患者によるアンケート調査では、不妊の原因は、女性の卵巣因子が21%、卵管因子が20%、子宮因子が18%、男性因子が33%という結果になっており、男性と女性、どちらにも原因があることがわかります。

ふたりで一緒にスタートラインに立ち、協力しながら取り組んでいくことが大切です。

ここで、妊活の背景や実態、流れについて知っていきましょう。

なぜ「妊活」が必要なの?

「生理があるから妊娠できるはず」「結婚すれば自然に授かるもの」。そんなふうに妊娠=自然におこりうる現象と思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、妊娠しやすい年齢の健康な男女が排卵期付近に性交渉をした場合でも、自然に妊娠できる確率は25~30%程度と、それほど高い数字ではありません。この記事を読んでいる人のなかには、思うように妊娠できないことにそろそろ焦りを感じている人や、すでに不妊治療を始めている人もいるかもしれませんね。

不妊治療、もしくは不妊検査を受けたことがある夫婦の割合は6組に1組で、2019年に日本で生まれてきた子どもの14人に1人が「体外受精」で誕生しています。

医学的に妊娠・出産のベストタイミングは女性が20代~30代前半と言われています。ライフスタイルの変化から、35才以降の出産は全体の26%と少なくありませんが、年齢が上がるごとに妊娠のハードルは上がっていきます。

すべてのカップルが、すんなりと妊娠できるわけではありません。妊娠にはタイムリミットがあり、年齢が上がるほど妊娠できる確率も低下していきます。だからこそ、2人で意識的に妊娠を目指す「妊活」が必要です。

妊活の大まかな流れを知っておこう

では、具体的に妊活とはどのように進めていくものでしょうか?

1:排卵日を自分で予測し性交渉をする「タイミング法」にトライ

排卵日に合わせて性交渉をおこない、妊娠を目指す「タイミング法」から始めるのが最も一般的です。

2:病院の検査で原因を探る

「タイミング法」を1年続けても妊娠しない場合は、病院で検査を受けます。男女それぞれに、妊娠を妨げる原因がないかを探ります。

3:病院での検査結果を踏まえて妊活の進め方を考える

病院の指導を受けて超音波検査などで排卵日が予測できたら、再び「タイミング法」を2~3回ほど実践します。

それでも成果が出ない場合は、「人工授精」、「体外受精」にトライします。

妊活のゴールはもちろん妊娠ですが、そこに至るまでにはさまざまな進め方があり、人それぞれに条件も異なります。2人のライフプランに合わせて、自分たちに合ったものを選んでいけるといいですよね。

おうちでの妊活のスタート地点。排卵日を把握しよう

妊娠を目指すために、最初に把握しておきたいのが排卵日。排卵日に合わせて性交渉をすることで、妊娠の確率が高まります。

おうちで妊娠しやすい時期を知る方法は、

の4つ。それぞれ詳しく紹介します。

生理管理アプリを使って生理周期から排卵日を予測

「そろそろ妊活を考えている」という人にはもちろん、「いつかは妊娠したい」という気持ちがある人にも、まずは生理管理アプリ「ソフィ」に記録をつけてみることをオススメします。

生理管理アプリ「ソフィ」は、生理周期を記録すると自動で次の生理予定日や排卵日が予測されるため、妊活中の人はタイミング法が実践しやすくなります。また、おりものの量や時期、体調や気分などを継続的に記録しておけば、カラダのリズムも見えてくるはず。

基礎体温で排卵サイクルを「見える化」

排卵サイクルを知るための2つ目の方法は基礎体温です。これは、生命を維持するのに必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静時の体温のこと。朝、目が覚めたら起き上がる前に婦人体温計を舌の裏側に入れて計測します。できるだけ毎朝、同じ時間帯に継続して測るのがポイントです。生理管理アプリ「ソフィ」でも基礎体温を記録・グラフ化できるので、ぜひ試してみてくださいね。

2種類の女性ホルモンが周期的に分泌される女性の体内では、1ヵ月の中でも微妙な体調の変化が表れます。一般には排卵が起きた後は10日ほど体温が上昇し(高温期)、生理になると体温が低くなる(低温期)ことを繰り返す二相性のパターンが見て取れると、排卵が起きていると考えられます。

基礎体温の低い日がダラダラと長く続いている、または体温がジグザグで二相にまったく分かれないようであれば、排卵がきちんと起こっていない可能性もあります。早くから治療をしたほうがいい場合もあるので、病院に相談しましょう。

より正確に排卵日を知ることができる排卵検査薬でチェック

生理管理アプリも基礎体温も妊活の基本ではありますが、完璧に排卵日を予測できるわけではありません。より正確に排卵日を把握するなら、黄体形成ホルモンを測定する検査薬の使用がオススメです。女性の体内では普段から少しずつ黄体形成ホルモンが分泌されていますが、その量は排卵がおこる数日前から増えていきます。

ドラックストアなどで手に入る排卵検査薬は、尿に含まれる黄体形成ホルモンの濃度によって、排卵日を予測します。陽性反応が出たら、排卵まで約1日です。最も妊娠しやすくなるタイミングは排卵日の当日〜2日前とされていますので、陽性が出たタイミングで性交渉を持てると妊娠の確率が上がります。

「妊活タイミングをチェックできるおりものシート」を活用

ソフィからは「妊活タイミングをチェックできるおりものシート」が発売されています。ショーツにつけて使用するだけで、妊活タイミングをチェックすることができるアイテムです。排卵5日前〜排卵日の妊娠可能性が高い期間に使用します。シートのおりもの反応部分に2本線が出たら、妊活タイミングです。妊活タイミングがわかったら、当日〜2日以内に性交渉をすると妊娠の確率向上が期待できます。

妊活は健康の上に成り立つもの

妊活に取り組むなら、まずはカラダが健康であることが大事です。生理や基礎体温を記録したり、排卵検査薬を試してみたりすることは、自分の体内で日々おきているホルモンの変化に目を向けることにも繋がります。食生活の偏り、睡眠不足、過剰なストレスを抱える状態などが続くと、ホルモンバランスが乱れて排卵にも影響してしまうので注意してくださいね。

また、自分のカラダのコンディションをチェックしておくことは、妊活だけではなく、自分自身が健やかに暮らしていくためにも大切なことです。

病院ではどんな不妊治療をおこなう?

病院での不妊治療を受ける目安は、以下のとおりです。

具体的な治療法について、見ていきましょう。

病院での不妊治療の方法

病院でおこなわれる不妊治療は、おもに3つの方法があります。

医師による排卵予測に合わせた「タイミング法」

排卵日は、自分で生理管理アプリや排卵検査薬を使って予測することもできますが、医師による超音波検査でより精度の高い予測ができます。

超音波検査は、「プローブ」と呼ばれる細い棒状の器具を膣内に入れ、子宮や卵巣を超音波で観察するもの。排卵期には、卵子を包んでいる卵胞という袋が大きくなっていきます。超音波検査を何度かおこない、卵胞の大きさを計測することで、排卵日を予測します。医師の指示に従って、排卵日に性交渉をおこないます。

精液を人工的に子宮内に注入する「人工授精」

タイミング法で授からない場合は「人工授精」へと進みます。これは精液を人工的に子宮内へ注入する方法です。

自宅、または病院で採取した精液から精子の運動状態をチェックして、元気な精子を子宮内に直接送り込みます。痛みはほぼなく、麻酔を使う必要もありません。

「人工授精」で妊娠した人の88%が、4周期以内に妊娠したというデータがあります。(※1)そのため、6〜7周期トライしても授からない場合は「体外受精」へと進みます。

採取した精子・卵子を受精させる「体外受精」

カラダの外で受精を試みる方法です。採取した卵子と精子を培養液の中で出会わせ、3~5日ほど育てた後、子宮内に戻して妊娠を目指す方法です。卵管の中でおこる受精を、カラダの外で再現していると考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

状況に応じて「顕微授精」をおこなうこともあります。こちらは採取した精子を洗浄・濃縮し、顕微鏡下で卵子に直接注入する、より高度な「体外受精」です。

「体外受精」では、成熟した卵子を採取するために卵胞を育てるホルモン注射を連日のように打つ期間があります。通院回数も増えるため、女性の負担がどうしても大きくなるのも事実。治療の間は、ふたりで家事の分担などを工夫して生活できるとベストですね。

人によって不妊治療の流れは異なる

ここまで3つの方法を紹介しましたが、妊娠を妨げている原因は人によって異なるため、どの不妊治療をおこなうかは人それぞれです。

女性の体内にある卵子は年齢を重ねるほど質が下がり数も減っていきます。そのため、女性が35才以上の場合は、すぐに「人工授精」「体外受精」から始めることも珍しくありません。

40代で妊娠できる人もいますが、妊活において女性の年齢が35才であることは大きな判断基準です。日本産婦人科学会においても、「35才以上の初産=高齢出産」と定義されており、妊娠中や出産時のリスクが上昇することがわかっています。

また、男性の精液検査の結果、精子の活動量や数が少ない場合も、「人工授精」や「体外受精」から不妊治療をスタートすることがあります。

不妊治療の治療費について

治療の方法が高度になると、治療費も比例して高額になっていきます。

※保険適用後の金額

ただし、今は国や自治体から助成金が支払われますので、そうした制度をうまく利用しながら治療費の負担を減らしていきましょう。

「妊娠したかも?」と思ったら、妊娠検査薬を使ってみよう

ふたりで妊活に取り組む中で訪れる、「もしかしたら妊娠したかも?」と思うとき。もちろん喜ばしいことですが、焦らずに妊娠を確認しましょう。

まずは妊娠検査薬の使い方を始め、妊娠後にやるべきことを紹介します。

手軽に妊娠の可能性をチェックできる

妊娠検査薬は、ドラッグストアなどで500〜1,000円(2回分セット)程度で売られており、誰でも購入することができます。尿採取部分に直接尿をかけたり、コップなどに入れた尿に検査薬を浸したりして使用します。生理予定日の約1週間後から検査することができます。

陽性が出ても着床はしていないケースも

精子と卵子が受精し、受精卵が子宮内膜に無事に着床すると、女性の体内ではヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが分泌されます。このhCGホルモンの値が上がっていれば妊娠検査薬で陽性反応が出ます。

しかし、陽性=妊娠確定とはまだ言い切れません。子宮内膜ではない場所に着床する子宮外妊娠のようなケースやあっても、陽性反応が出るからです。

陽性反応が出たら、すぐに病院を受診して子宮内の状態を確認してもらってくださいね。

妊活で2人の絆を深め、妊娠中も支え合おう

おうちでおこなう妊活と、病院でおこなう不妊治療。妊活には、大きく分けて2パターンあることを紹介しました。

なかなか赤ちゃんができないと焦ってしまうこともあるかもしれませんが、お互いにプレッシャーにならないよう、気遣いあえるといいですよね。

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、病院の超音波検査での経過観察を経て、女性はついに妊婦さんとしての生活が始まります。妊活のゴールは妊娠ですが、妊娠は赤ちゃんを育てるスタート地点です。妊活でより絆を深めて、妊娠中の生活も支え合っていきましょう。

※1 大野原良晶ほか,当院不妊外来における治療成績と年齢との関連,鳥取医誌 40,2012,pp130-135

【記事監修】

株式会社ファミワン 不妊症看護認定看護師 看護修士

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