一番大切なのは、清潔を保つこと!
●ナプキンはこまめに取り替えて
生理中はたとえ量の少ない日でも、ナプキンをこまめに取り替えるように心がけてください。めんどうだからと長時間取り替えないでいると、湿気がこもって、カンジダ菌などのカビが発生してしまうことも…。カンジダ菌が原因で炎症がおこると、激しいかゆみや排尿痛がおこることもあります。少なめの日でも、せめて3~4時間ごとに取り替えるようにしましょう。
●生理中もお風呂はOK
「生理中はバスタブにつかってはいけない」と思っている人は、多いよう。でも清潔なお湯であれば、入っても大丈夫なんです。清潔が保てるだけでなく、血行がよくなり、症状をやわらげる効果も期待できます。生理2~3日目で量が多くて心配なときは、タンポンを使うなど工夫して入浴しましょう。
「生理中はカラダがだるい」という人も、シャワーだけでいいので、なるべく毎日お風呂に入ってデリケートゾーンの経血をきれいに洗い流してください。
休養と栄養をたっぷりと
●鉄分とたんぱく質の多い食事を心がけましょう
生理中はカラダから出血しているわけですから、貧血になりやすい状態にあります。できるだけ無理をしないようにして、食事では大豆やレバーなど鉄分とたんぱく質の多い食品を積極的にとりましょう。また生理中にはよく「柿やイカを食べちゃいけない」とか「チョコレートを食べると経血が増える」などといわれることがありますが、どれも医学的な根拠はありません。
●十分な休養をとって
生理のときは子宮だけでなくカラダ全体が女性ホルモン低下の影響を受け、あちこちにさまざまな変化がおこることも…。人によっては、鼻血が出たり、下痢をしやすくなったりすることがあります。個人差がありますが、その人のいちばん弱い部分に症状が出る傾向があるようです。カラダ全体の抵抗力が多少落ちているときなので、十分に休養をとるようにしましょう。
●無理のない範囲なら、スポーツもおすすめです
軽い運動やマッサージは、カラダをリラックスさせ、血行をよくします。生理痛(月経痛)やPMSでも紹介したように、軽い体操やヨガは症状を軽くする効果が期待できます。
ふだんからスポーツをしている人は、元気なら、生理中でもいつも通り動いていいし、逆に、腹痛や貧血で体調がすぐれないときは無理をしないでお休みしましょう。
自分のカラダとよく相談し、コントロールすることが大切ですね。
生理のときに、避けたほうがいいこと
●冷たい飲み物やお酒、タバコはひかえて
生理中は冷たい飲み物や刺激物など、お腹をこわすようなものは避けたほうがいいでしょう。
特にアルコールは出血を促進する働きがありますので、お酒の飲み過ぎにも注意してください。また、タバコは血管を収縮させる作用があるので、生理の不快な症状を重くします。お酒もタバコもひかえたほうがいいですね。
●カラダをしめつける服装も、避けましょう
きつい下着やハイヒール、ベルトなどで、カラダをしめつけると、血行が悪くなって不快症状につながることも。できるだけゆったりした服装を心がけるといいですよ。
●セックスはひかえて
生理中は膣内の抵抗力が落ちて、とってもデリケートになっています。ですから、膣から雑菌やウイルスなどが侵入しやすいとき。安心のために、セックスはひかえたほうがいいですね。
つらい生理痛をやわらげるためには
●カラダを温めて生理痛をやわらげましょう
生理のときは、骨盤のなかの血液の流れが悪くなり、うっ血しています。カラダが冷えるとさらに血行が悪くなり、うっ血が促進されますので、なるべくカラダを冷やさないように、冷え対策は万全に。カラダを温めて血行をよくするのは、生理痛をやわらげる効果もあります。
入浴タイムにはバスタブにアロマオイルや入浴剤を入れてゆっくり楽しんだり、カイロを利用して、お腹や腰を温めたりするなど工夫してみましょう。クラリセージ、カモミール、ゼラニウムなどの香りには、生理痛を鎮める効果があるといわれています。また吐き気やむかつきなどの不快症状をスッキリさせたいときは、ペパーミント、ローズマリー、ベルガモットなどの香りを試してみてください。遠赤外線マットもおすすめですよ。
●鎮痛剤は早めに服用するのが効果的です
「鎮痛剤はカラダによくない」「癖になって効かなくなる」と思い、生理痛が耐えきれなくなるまで服用せずにガマンしている人もいるようです。でもこれは間違い。鎮痛剤はきちんと服用方法を守れば、怖いものではありません。
鎮痛剤には、痛みをおこす物質(プロスタグランジン)が生まれるのを抑える働きがあります。ですから、痛みが強くなる前に飲むのが効果的なのです。「そろそろきそうだな」と感じたら、早目早目に服用するようにしましょう。
【記事監修医】
西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医