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つらい冷え性、どうにかしたい…

つらい冷え性、どうにかしたい… つらい冷え性、どうにかしたい…

冬ばかりでなく、夏も手足の先が冷えてつらい、そんな若い女性が増えています。もともと女性は体質的に冷え性になりやすいのですが、運動不足や薄着、無理なダイエットなども冷え性の一因。食べ物やストレッチ、入浴法などの工夫で、冷え性を改善することもできるんですよ。

どんな症状を、「冷え性」というの?

●冷えの症状は、いろいろあります

「冷えは万病のもと」という言葉もあり、冷えを放置しているとさまざまな合併症を引き起こすこともあります。次のような症状があったらその原因を考え、改善するための対策を立てるようにしましょう。

・手足の指先が氷のように冷たい

・上半身はほてっているのに下半身だけ冷たい

・夜、ふとんに入っても手足が冷えてなかなか眠りにつけない

●冷え性の多くは、手足の末端に血行障害が起こった「末端冷え性」です

手足の末端の血行が悪くなり、カラダの温度が下がって冷たく感じる状態が冷え性です(そのため「末端冷え性」とも呼ばれます)。血行障害が起こる原因は、平熱が低い、筋肉が弱い、無理なダイエット、ホルモンの乱れなどさまざまです。

冷え性は、西洋医学では病気とみなされていません。しかし、東洋医学では「お血[おけつ]」といって、血行がスムーズに流れずたまっている状態と診断され、治療の対象となります。ひどくなれば膀胱炎、頻尿、自律神経失調症、頭痛、腰痛、肩コリ、生理不順(月経不順)、生理痛(月経痛)、不眠などを引き起こすこともあります。

●女性は男性よりも、冷え性になりやすいカラダです

冷え性が女性に多いのには、いくつかの理由がありますが、ひとつは、男性よりも平熱が0.3~0.5度ほど低いことがあげられます。また、女性のカラダは、熱を生み出す筋肉よりも、熱を生み出さない脂肪が多いのが特徴です。筋肉には、カラダの末端の血液を心臓に戻す働きもあるのですが、筋肉が少ない女性は、その点でも冷え性になりやすいカラダといえます。

カラダを冷やす原因には、どんなものがあるの?

カラダを冷やす原因には、どんなものがあるの?

●ダイエットや矯正[きょうせい]下着も冷えのもと

極端なダイエットも、冷え性を引き起こします。運動せずに食べ物だけ減らすダイエットは、熱を生み出す筋肉を落とすばかりでなく、タンパク質やビタミンなど必要な栄養素も減らし、栄養失調から冷えを悪化させます。また、カラダをしめつける矯正下着なども、血行をさまたげるため冷え性の原因になります。

●ホルモンバランスの乱れも原因のひとつ

ホルモンバランスが乱れると、生理不順や無月経などのほか、カラダにさまざまな症状があらわれることがあります。冷え性もそのひとつ。ホルモンバランスの乱れによって、自律神経の働きが低下し、手足の先まで血液が十分に行きわたらない状態になるのです。

●オフィスの冷房や薄着も一因です

カラダの内側からだけではなく、外側にも冷え性の原因があります。夏のオフィスや電車の冷房は、スーツを着てネクタイをしめた男性用に設定されたもの。女性にはきつすぎます。また、肩や腕、おなかなどを出した服も、熱を発散させて、カラダを冷やします。飲食物も、冷えたジュースやアルコール、冷たい食べ物などカラダを冷やすものばかりとっていると、冷え性を悪化させます。

簡単にできる冷え対策を教えて!

簡単にできる冷え対策を教えて!

●血行をよくする生活を心がけましょう

冷え性を改善するには、適度な運動でカラダを動かして、温かい食べ物、飲み物をとるようにするなど、日常的にカラダのすみずみまで血行をよくする生活を心がけましょう。また、冷房のあるところでは、カーディガンやひざ掛け、靴下などで予防を。冷えの原因となるダイエットや睡眠不足などは、なるべく避けるようにしましょうね。

<<冷え性対策>>

●お風呂や足湯で温まる

冷え性対策_1

半身浴でぬるめのお湯にゆっくりつかりましょう。38~40℃のお湯に20分以上入ると効果的です。長く入るので、心臓に負担をかけないよう、乳房の下あたりまでつかるようにします。上半身が寒ければ、肩にタオルなどをかけて。カラダを温める効果のあるアロマや入浴剤などを入れて楽しみましょう。お風呂に入れない日は、やや熱めのお湯で足湯に入るのもおすすめです。

●ストレッチやヨガなども効果的です

冷え性対策_2

末端が冷えてしまうのは、カラダを温める血液を送るポンプ作用が末端まで行き届いていない証拠。カラダを動かし、筋肉を使うと血行がよくなります。また、適度に筋肉をつけることで基礎代謝をあげれば、体温をあげることにつながります。

手っ取り早く血行を促進して温めるには、冷えている部分を動かすのが一番。手や足の指先を閉じたり開いたりする、手首足首をグルグルと回す、足の甲を伸ばす、などの簡単なストレッチだけでも効果があります。休憩中はもちろん、電車やバスでの移動中、仕事中にデスクの下で、できるチャンスを見つけて積極的に血行促進をしましょう。青竹踏みなども効果的です。

またヨガは深呼吸を重視するため、繰り返しているうちに体内の血行を促進し温める効果があります。例えば、以下のような下半身の血行を促すポーズを試してみてはいかがでしょう。

1)うつ伏せに寝転がり、両手をアゴの下に置く。

2)両足は肩幅程度に開き、膝を軽く曲げて床から少し持ち上げてアキレス腱を伸ばす。

3)息を吸いながら、両脚を曲げる(かかとがお尻に着くくらいが理想的)。

4)息を吐きながら元に戻す。これをリズミカルに30回ほど行う。

●温かい飲み物も、カラダを暖めます

冷え性対策_3

食事のときは冷たいお茶やジュースは避けて。みそ汁やスープを飲むと、カラダがポカポカ温まります。逆にトマトやキュウリなど、夏が旬の野菜はカラダを冷やす作用があると考えられていますので、食べ過ぎないよう注意を。

●冷えやすい下半身には、もう1枚はきましょう

冷え性対策_4

下半身は冷えやすいので、小さなショーツ1枚だけは厳禁です。温かい毛糸のパンツを1枚重ねたり、くつ下を重ねばきすると、冷えがやわらぎます。ただし毛糸のパンツもくつ下も、血行を妨げないよう、ゆったりしたサイズのものを選びましょう。

●足のマッサージ、ツボ押しなども効果的です

冷え性対策_5

「足三里」は、ひざのお皿の外側にあるくぼみから指4本分下で、すねの骨の外側の縁。血流を促し、全身の疲れを取るツボです。

「三陰交」は内くるぶしの中央から指4本分上、すねの骨の後ろ側の縁。女性特有の不調に万能なツボです。

「太谿」は内くるぶしの後ろ下とアキレス腱の間のくぼみです。冷えなど足の症状に効果があります。

●ひどい冷え性の場合は、念のため病院で受診を

冷え性はひどくなると、さまざまな合併症をひきおこします。また隠れた病気が、冷えの原因になっている場合も…。手足の色が白くなるほど冷え性がひどい場合は、病気が隠れていないかどうか、一度病院を受診してみてください。膠原病[こうげんびょう]、腎炎、糖尿病、甲状腺機能低下や卵巣機能障害などの病気のために、血行障害が起きている可能性もあります。

とくに病気はみつからないものの、冷え性が気になるという人には、漢方薬もおすすめです。先に述べたように、東洋医学では、冷え性はれっきとした病気ですから、治療の対象になります。漢方薬を処方してもらうと症状が改善することもあるのですよ。健康保険も適用されます。また、アロマやハーブなどで、冷え性に効くものもあります。専門店で相談してみるとよいでしょう。

【記事監修医】

西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医

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