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更年期ってなに? 閉経する年齢とどんな関係があるの?

更年期ってなに? 閉経する年齢とどんな関係があるの? 更年期ってなに? 閉経する年齢とどんな関係があるの?

閉経とは卵巣の活動性が次第に低下し、最後に生理(月経)が永久に停止することをいいます。閉経前後5年くらいの期間を「更年期」といい、ホルモンバランスの変化で、カラダや心にさまざまな症状があらわれます。症状のあらわれ方には個人差がありますが、必要以上に不安がらずに、今から正しい知識を身につけておきましょう。

更年期は閉経前後におこります

●閉経は、何才くらいにくるのが平均的?

閉経の年齢にはとても個人差があります。今の日本人女性の平均は50.5才。閉経の前後5年には更年期症状があらわれますが、最近ではこの症状が40代前半以前からあらわれる人が増えています。

●閉経の前後5年間に「更年期症状」があらわれる

更年期は、閉経の前後5年間ほどの期間をいいます。今の日本人女性の閉経の平均は50.5才ですから、一般的には45~55才くらいを更年期と呼んでいます。この期間は、ちょうど女性のカラダが妊娠可能な状態から不可能な状態へと変わっていく「移行期」にあたります。

●30代、40代で閉経することも…

最近では、40代前半以前から更年期症状があらわれる人も増えてきています。若くても、生理不順になり、更年期のような症状がみられるときは、放っておくとそのまま閉経する場合もあるので気をつけましょう。30代後半など43才未満で閉経することを早発閉経といいますが、このような人は、早くから更年期障害があらわれたり、骨がもろくなりやすい傾向がみられます。ホルモン剤で女性ホルモンを補うなどの治療を受けることをおすすめします。

●生理の乱れは、更年期のサイン

更年期には卵巣の機能が低下して、徐々に女性ホルモンの分泌量が減っていきます。そのため、ホルモンがアンバランスになり自律神経が乱れて、カラダやココロにさまざまな症状があらわれてくるのです。まず、排卵のシステムが乱れるため、生理に変化がおこります。周期が短くなったり、量が変化したり、期間もダラダラと長く続いたり、2~3日で終わったり…。基礎体温を測っても、きちんとした二相性になりません。低温期と高温期の差がはっきりしない状態になったり、高温期があっても短くなったりします。

更年期について知っておきましょう

●更年期の症状がないか、自己診断してみましょう

こんな症状がないか、自分で点数を入れてください。その合計点があなたの更年期の可能性になります。

更年期の診断自己チェック表

0~25点 まだ更年期の症状はあらわれていません。このままの生活をキープしましょう。

26~50点 これから、更年期症状があらわれる可能性があります。食事、運動などに注意を払い、無理をしないように。

51~70点 更年期の症状があらわれています。更年期障害に発展する可能性があるので、女性外来や婦人科を受診したほうがいいでしょう。

71点以上 更年期障害の可能性があります。女性外来や婦人科での指導、各種の精密検査を受けましょう。

●更年期になると、こんな症状があらわれます

更年期になると、こんな症状があらわれます

更年期には、ホルモンバランスの変化でさまざまな不調がおこります。具体的には、ほてり、のぼせ、発汗、冷え、肩こり、頭痛、動悸、めまい、イライラ、不眠、便秘、下痢など、いわゆる「不定愁訴[ふていしゅうそ]」といわれる症状です。 症状の出方にはかなり個人差があり、とてもつらい思いをする人もいれば、とくに目立った症状も出ずに終わってしまう人もいます。「更年期=更年期障害」と思っている人も多いのですが、実際にはカラダの不調がとても強く、病院での治療が必要な状態のことを更年期障害と呼んでいるのです。

さまざまにあらわれる更年期症状

【血管運動神経の異常】  のぼせ ほてり 動悸 息切れ

【精神神経の異常】  頭痛 頭重感 めまい 耳鳴り 物忘れ 判断力低下 集中力低下 不眠 不安感 恐怖感 疲労 倦怠感

【泌尿器・生殖器系の異常】  頻尿 排尿異常 膣炎 性交障害

【運動器官の異常】    肩こり 関節炎 腰痛 筋肉痛

【皮膚・分泌系の異常】    発汗 唾液分泌増加 口内乾燥感 皮膚や粘膜の乾燥 膣炎 皮膚のかゆみ

【消化器系の異常】  食欲不振 吐き気 便秘 下痢 のどのつかえ

【知覚障害】  しびれ 知覚過敏 蟻走感[ぎそうかん](皮膚をアリがはっているような感じがすること)

●更年期を前向きに受け止めれば、症状を感じにくい

更年期の症状は、どれも日常的なものなので、実際に更年期障害と気づかないことがあります。かかりつけの内科などを受診しても原因がわからず、悶々として過ごす人も少なくないようです。更年期は老いの始まりというイメージが強いため、女性が認めたくない気持ちもよくわかりますが、だれもがいずれは迎えるものなのです。更年期症状は、ストレスや性格など精神的な面に左右されることが多く、真面目で神経質なタイプより、おおらかで明るいタイプのほうが症状を感じにくいこともわかっていますから前向きに受け止めたいものです。つらい症状はガマンせず、気軽に婦人科へ相談するとよいでしょう。

●日常生活の改善で更年期の症状の軽減も

更年期の症状を感じ始めたら、自分自身で日常生活の改善を積極的に行うことも大切です。自律神経の働きを整えるためのヨガや体操などを取り入れたり、規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事をし、ハツラツとして毎日を過ごすことが、症状の改善につながります。

●更年期の症状が重ければ治療を

更年期の症状が重ければ治療を

更年期の症状が重くなると、病院での治療が必要となる更年期障害へと発展します。更年期障害の治療では、たとえば頭痛には鎮痛剤、下痢や便秘には整腸剤など、それぞれの症状に対する薬物療法を行うのはもちろんですが、症状が強い人に女性ホルモンを補う女性ホルモン補充療法(HRT)を行うこともできます。これは更年期に減少してくる女性ホルモンを外から補充することで、カラダの急激な変化を防ぐ治療法です。

●漢方薬でゆっくりと症状を緩和する方法も

乳がんや血栓症などの病気で、女性ホルモン補充療法(HRT)ができない人、ゆっくりと症状を改善していきたい人には漢方薬で更年期症状を緩和していくのもひとつの方法です。また、HRTとの併用も可能ですから、組み合わせて使うこともできます。

【記事監修医】

西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医

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