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生理周期が早い人は要注意!目安は24日以内かどうか

生理周期が早いかも…と悩む女性 生理周期が早いかも…と悩む女性

若い頃と比べると、生理周期が少しずつ早まってきているという30〜40代の女性は少なくありません。生理周期が早まっていても、そのズレが1週間以内であれば正常の範囲内です。しかし、もし生理周期が24日以内の場合は要注意です。生理周期が24日以内の状態は「頻発月経」とよばれ、なんらかの病気が隠れている可能性もあります。ここでは、正常な生理周期や生理の仕組み、病気を疑うべきケースなどについて解説します。

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女性ホルモンの働きで変化する生理周期

女性ホルモンの分泌量の変動にともない、月経期・増殖期(卵胞期)・排卵期・分泌期(黄体期)の4つの期間に分類される生理周期。

生理周期は女性ホルモンの働きによりコントロールされており、増殖期(卵胞期)・排卵期・分泌期(黄体期)・月経期の4つに分類できます。

 

増殖期(卵胞期)は生理1日目から始まり、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンが増加し、卵巣にある卵胞が発達し始めます。成長した卵胞からは卵胞ホルモンが分泌され、妊娠に備えて子宮内膜の厚みも少しずつ増していきます。その後、卵胞ホルモンの分泌量がピークになると、脳下垂体から黄体化ホルモンが分泌され、卵胞から卵子が放出されます。これが排卵です。

 

排卵後、卵胞は黄体という組織に変化して黄体ホルモンの分泌を始めて、分泌期(黄体期)に入ります。黄体ホルモンの作用により子宮内膜は妊娠に備えて柔らかく厚く変化し、水分と栄養素をため込もうとします。同時に、黄体ホルモンには基礎体温を高める作用があるため、排卵期を境に低温期から高温期に入ります。

 

受精卵が子宮内膜に着床すると、黄体ホルモンの分泌が続きますが、妊娠がおこらない場合は、子宮内膜が血液とともに体外へと排出され生理が始まります。このように、女性のカラダは閉経するまでの間、妊娠に備えて生理周期を繰り返しています。

生理サイクルが早いと判断する基準は?

生理が始まった日を1日目として数え、次の生理が始まるまでの期間が1回の生理周期。正常な生理周期は25〜38日間と幅があり、同じ人でも前月と数日ズレることは珍しくありません。1週間以内のズレであれば必要以上に心配しなくても大丈夫。正常な生理周期範囲外になる、24日以内に生理がくる場合は「生理周期が早い」、39日以上の場合は「生理周期が遅い」といえるため、周期の乱れが続く場合は婦人科で相談することをおすすめします。

 

順調なときは生理による出血があるのは3〜7日間、平均5日間。月経後の増殖期(卵胞期)は期間の長さに幅があり、閉経が近づくと短くなっていく傾向があります。

生理周期が早いことを悩む女性

基礎体温で確認!早い生理周期に隠れている病気

女性のカラダは、排卵期を境に低温期から高温期に移りかわる。

生理周期のズレが1週間以内であり、生理周期が25〜38日間であれば心配ありません。しかし、生理周期が24日以内の状態は「頻発月経」とよばれ、「卵胞期短縮症」や「黄体機能不全」などの病気が疑われます。

 

卵胞期短縮症は増殖期(卵胞期)が短くなる病気、黄体機能不全は分泌期(黄体期)が短くなる病気です。どちらの病気でも、生理サイクルが24日以内と早い周期になる傾向があります。

 

増殖期(卵胞期)は低温期、分泌期(黄体期)は高温期ですから、基礎体温を記録していると、どの期間が短くなっているのか判断しやすくなります。

増殖期(卵胞期)や分泌期(黄体期)の日数にははっきりとした基準はありませんが、以前と比較して短くなっていると気がついたら、早めに婦人科で相談しましょう。黄体機能不全の場合は、生理の2週間前頃に不正出血がおこることもあります。

 

また、30〜40代の女性で、生理周期が早い傾向にある場合、甲状腺の病気にかかっている可能性もあります。

甲状腺機能低下症の場合、脳の視床下部からTSH放出ホルモン(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)により、プロラクチンという乳汁を作らせるホルモンの分泌が促進されるため、カラダが産後のような状態になり、生理周期が乱れやすくなります。

 

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)が卵巣に影響を与えるメカニズムはまだ解明されていませんが、経血量(生理出血量)が少なくなり、不妊症の原因となる可能性があるとされています。

どんな人は病気を疑う?生理が早い人のチェックポイント

生理周期が早い場合、まず1サイクルが24日以内か確認しましょう。たとえ生理周期が正常範囲内であっても、以前に比べて生理周期が早い場合は注意が必要です。

 

基礎体温を記録している人は、きちんと排卵があるか、無排卵になっていないかを確認しましょう。生理と排卵の状態が正常であれば、女性ホルモンの変化により基礎体温も変化します。排卵後は体温が高くなるため、体温の上昇がみられれば排卵していると判断できるのです。

 

基礎体温をきちんと記録していれば、生理周期の変化にも気づきやすくなります。ただ、低温期、高温期とよばれてはいるものの、その差は0.3〜0.5度のわずかなものです。基礎体温の計測には普通の体温計ではなく婦人体温計を使用し、正確な数値を計測しなければなりません。計測した基礎体温はグラフとして記録し、低温期や高温期がわかるようにしておきましょう。おりものの量や色の変化、不正出血などのカラダの異常もあわせて記録しておくと、病院で医師の問診にもスムーズに答えやすくなります。

 

>知ってる?基礎体温の測り方

生理が早いため病気と関係がないかをクリニックで確認する女性

早い生理周期と冷え・老化の関係

美容のためにもカラダが冷えないように気をつける女性

30代以降の女性で生理周期が早い傾向があり、体温が常に36.5度より低い場合は、冷えが原因でカラダの老化が進んでいる可能性があります。卵巣まで老化が進むと、生理周期が早まるほか、不妊の原因となったり、更年期が早まったりします。また、血流が悪いため冷え性が進行しがちです。

 

さらに、冷えを加速させるのは、筋肉量の低下です。若いころと比べると体力が落ちているので、定期的に運動していないと、筋肉が落ち、脂肪がつきやすくなるうえ血流が悪くなります。

 

もし20代のときと比べてお腹まわりの筋肉が落ち、ぽっちゃりしてきているようであれば卵巣周辺が冷えやすくなっていると考えましょう。生理周期が少し早いだけであれば、カラダを動かして血流を良くし、卵巣を温めてあげると生理周期が整うこともあります。毎日5分でも良いので適度にカラダを動かして血流を促すよう心がけましょう。

 

>みんながしている冷え対策は?ソフィしなやか女子トーク

5分でOK!血のめぐりをよくする運動が冷え対策に有効

カラダの冷えを解消するためには、食事療法、漢方薬の服用、厚着をするなどさまざまな方法があります。なかでも効果的なのは、運動です。そもそも30代以降は筋肉量が低下し、冷えをまねいている可能性が高いですから、適度に運動して筋肉量を増やすようにしましょう。筋肉量が増えればカラダの代謝も良くなるので、ダイエットにもつながります。

 

ジョギングやエアロビクスなどの激しい運動は必要ありません。5分でも全身を動かせば、血流は良くなります。ヨガやストレッチなどの軽い運動をするだけでも、冷えの改善効果が期待できるので生活に取り入れていきましょう。靴下を重ね履きするより、5分でもカラダを動かす方がずっと効果的です。

 

>全身の循環をよくするソフィのしなやかヨガ

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継続は力なり!血流をよくする運動を習慣にしましょう

生理と上手に付き合い毎日を健康的に過ごす女性

冷えは、女性ホルモンのバランスに大きく影響を与えるだけではなく、血行不良や自律神経のバランスを乱すなどさまざまな不調の原因になります。デスクワークで長時間同じ姿勢で作業を続けていると、首や肩などの筋肉に負担がかかり、血行も悪くなってしまいます。

 

また、疲労物質などの代謝も滞るため、慢性的な疲労感やだるさの原因にもなります。これまで運動習慣のなかった人は5分ほどの簡単な体操やストレッチでも良いので、少しずつ始めてみましょう。

 

筋肉量が増えて血行が良くなると、カラダのさまざまな不調が改善される効果も期待できます。自律神経の乱れ、疲労感、体重増加など、冷えはさまざまな不調をもたらします。適度な運動はストレス解消にも役立ちますので、上手に生活に取り入れて健康維持に役立てましょう。

 

ただし、病気が原因で血行障害をおこしているケースもあるので、なかなか冷えが改善されない場合は、医師に相談することをおすすめします。

【記事監修医】
西山紘子先生
社会福祉法人 恩賜財団済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院/産婦人科医

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